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ファンに聞いた山崎豊子のおすすめ作品や魅力

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山崎豊子さんの作品を読むようになったキッカケはなんですか?

何年か前にドラマで「華麗なる一族」っていうのを、木村拓哉さんの主演でやってたんですよ。その原作者が山崎豊子さんっていうのがテロップで流れるのを見て、原作も読んでみようかなと思ったんです。

それから、たまたま母と本の話をしている時に「話題になった本を書いているすごく有名な人なんだよ」と聞いて、じゃあ違うものも読んでみようかなって思ったのがキッカケです。

自分の考えに対して問いかける作品

どのような作風ですか?

実際にあった事件、出来事をベースにしてフィクションの小説に立て直していることが多いです。

社会的にこれってどうなの?って問題提起をしているような書き方です。あなたならどうしますか?と問いかけられているように感じます。

最終的には、本を読んだ人が自分なりの考えを持ちましょうという結末です。

登場人物は、対称的な人たちが出てきます。主人公になるような人は誠実で、真面目で融通が聞かないような人です。そして、その逆の人も出てきて、お互いに戦いあいをしていくんですよ。

その中で主人公がどうなっていくのか、どう生きていくのか。また、その主人公の頑張りによって、悪側の人たちがどうなっていってしまうのか、リアルな作りとなっています。

ただ、結末が曖昧なところは、最初は消化不良でした。なんで書いてくれないのっていう(笑)。でも、中身が本当に面白いので読んでしまうんですよね。

母には「答えを出しちゃうとそれに感化されちゃう人も多いかもしれないし、本当の出来事をベースにしているから、あえてグレーの方が良いんじゃない」って言われました。でも、それでもやっぱり不満は残ります。

ドラマの結末も遠回りした印象です。「華麗なる一族」も終わりはグレーなんです。だから原作には答えがあるんじゃないか?って思って読み始めたんですけど、ドラマはほとんど忠実に再現されてて、あのまんまでした。その時はガッカリして、しばらく読まなかったんです。

でも、もう一つ「不毛地帯」っていう唐沢寿明さん主演のドラマが「華麗なる一族」の後にありました。その最後のシーンで、この人の気持ちがわかるなって泣けてしまって。それで、もう一回読んでみようかなって思ったんですよ。

ドラマ化、映画化されている作品はたくさんあるんですか?

そうですね。映画は「沈まぬ太陽」という本ですね。渡辺謙さんで映画化されています。ドラマは、代表作の「白い巨塔」、「華麗なる一族」と、「不毛地帯」、一番新しいのだと米倉涼子さんが出てた「女系家族」がありますね。

なかでも「華麗なる一族」はキャストがピッタリで、引き込まれました。
いじめられる側が木村拓哉さんで、いじめる側が北大路欣也さんなんですけど、時代劇とかでも怖い役をやっていらっしゃるので、いじめる役が本当に憎そうにみえました。

昭和復興の時の、財閥解体してから経済を立て直している時代、銀行が乱れてる頃の話なんですけど、そこのある銀行の頭取が北大路欣也さんなんです。

そして、出世しそうな息子の木村拓哉さんの役は、長男なのに可愛がれなくて、当たりも厳しい役です。その彼の存在感がしっかり出ていました。

あと、お母さん役の原田美枝子さんも、昭和風な感じで妻の座をしっかりと守っている役がぴったりでした。

愛人役の鈴木京香さんもすごい艶やかで原作にマッチしていましたね。

戦争の醜さ、怖さを訴える作品

初めて読む方にオススメするとしたらどの作品ですか?

あんまり昔過ぎると入りづらいと思うので、「二つの祖国」「不毛地帯」が、戦争を扱ったものなので良いんじゃないかなと思います。

「二つの祖国」と「不毛地帯」は、アメリカの日系二世の人が主人公なんですよ。特に「二つの祖国」はリアルで入りやすいかなって思いますね。

国籍がアメリカで血が日本人という、いわゆる二世の人たちが、戦争が始まってしまったことで、敵国人となってしまうんです。敵国として強制収容所に入れられることになって、人としての生活を奪われてしまいます。

物語には、二世であることの複雑な思いや、様々な出来事を通して主人公が悩む姿が描かれてあって、戦争を考える上でとてもいい本でした。

ただ戦争をダメと言うより、もっと深いところから考えられるんじゃないかなと思いました。実際、戦争って綺麗に割り切れるものではないということが、この本にすごく出ています。

国際結婚や、日本にいる留学生を考えたときに、普段の友好関係がどれだけ戦争に反映できるのかとか、自分がそうなった時にどう出るのかとか、考えさせられます。ぜひこれは読んでいただきたい一冊です。

ご自身の中でのオススメ作品ベスト3とそれぞれのオススメポイントを教えてください。

1位は「二つの祖国」です。とても読みやすかったです。

2位は「沈まぬ太陽」です。これは御巣鷹山の墜落事故をメインに書いています。

この本はとても壮大で、どこから事故に繋がるの?という始まり方です。墜落事故のことも問題提起されいますし、会社で働く人の大変さや、墜落してしまった時の遺族の方の心情なども描かれています。

5巻からなっていますが、取材力がすごく、丁寧に書かれたことが伝わってきます。

3位が「不毛地帯」ですね。捕虜になった人が十何年間、強制労働させられることの理不尽さが書かれています。

私の祖父は戦争をほとんど語らなかったんですけど、たった一言だけ「あれは人間のすることじゃないよ」って私に言ったことがあります。当時は小さかったので意味がわからなかったのですが、この本を読んだ時になんとなく意味がわかりました。

特に最後のシーンはとても印象的で、虚しくて泣けるものでした。本当に戦争の残酷さが出てるし、会社の組織の醜さも出ています。

あとは、ドロドロしたものが好みであれば「華麗なる一族」がおすすめです。

20代、30代の方は特に読んでほしい

山崎豊子さんの作品を読んでみたい方へ、アドバイスをお願いします。

私はギリギリ戦争のことを聴く機会がありましたが、戦争を語れる方たちも今は亡くなっていっている時代なので、リアルに聴ける機会がなくなっていると思います。ですので、本を読んで、戦争ってどんなものなのかを知ってほしいです。

正しかったとか、間違っていたとか答えは出ないと思うので、戦争の悲惨さ、怖さを知って、なんで戦争がいけないのか、自分の考えを作る助けにしてもらいたいです。

特に、少し社会生活を始めた20代、30代の若い人に読んでもらいたいなと思います。

本に書かれている一つ一つの事柄を真剣に考えちゃうと重たくなるかと思います。まずは、あんまり深く考えないで一度読んでいただいて、その上で心に残ったことを考えて、じっくり読み返していくというスタンスが良いんじゃないかなと思います。

取材力が素晴らしいので、知らない時代のことでも状況を想像しやすいですし、誰にでも理解できる言葉が使われています。長い話でもどんどん引き込まれていく魅力がありますので、作者が昔の人だからって敬遠しなくても大丈夫だと思いますよ。

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