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森見登美彦作品が大好き!「太陽の塔」がおすすめです

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小説家の森美登美彦さんは、京都の四畳半の下宿を舞台にした男臭いファンタジーという変わった作風をお持ちです。読書家にもそうでない人にもおすすめで、まずは「四畳半神話大系」、「夜は短し歩けよ乙女」(山本周五郎賞受賞)から読んでみてください。

衝動買いのような形で出会った

好きな作家はどなたですか?

森見登美彦さんという方で、10年位前にデビューされた方です。

私は元々本を読むことが好きでしたが、現代の作家さんのものを読むことはあまりなかったんです。

というのも、現代の作家さんのスピード感についていけなくて、読むと疲れてしまうので、古典文学といわれるものばかり読んでいました。

私はそのとき京都に住んでいて、ある日、書店でたまたまぱっと目が行ったのが「太陽の塔」という本でした。

刊行されたばかりだったので特別なコーナーが設けられていたわけでもなく、当時は名前も知られていない作家さんでした。

すごく偶然にも、書店に入る前くらいに大阪の万博記念公園に遊びに行っていて、太陽の塔を見た直後でした。

興味がわいてパラパラと立ち読みしたら、舞台が京都で、「これは買わねば!」と思いました。衝動買いのような形で出会った作家さんです。

気持ちの悪いファンタジー!?

どのような作風の作家さんですか?

作風は、ファンタジーと言えばファンタジーですが、男臭いです。

この方は京大の出身で、京大の周りは、今でこそ開けてきておしゃれなお店も増えてきたのですが、元々むさ苦しいところが多いのです。

彼の話の中でも、むさ苦しい四畳半の話が沢山出てきます。

四畳半の下宿を舞台に京大生の男の人たちがたむろして、日々ブツブツと気持ちの悪い妄想を書き立てるようなお話です。

それをコメディータッチで描かれているのですが、すごく面白くて、ファンタジーと言えばファンタジーなのですが、幻想的というよりはものすごく現実的なファンタジーです。

ものすごく現実の中にありながら、空想の部分が気持ちの悪いファンタジーになっているというか、想像力が豊かで身近にある世界からどんどんファンタジーの世界が広がっていくような作風です。

本人が太宰治さんがお好きなようで、言葉は日本語としては固くて、ものすごくベーシックな言葉を使っていて、そのギャップがすごく好きです。

私は太宰治さん等の作品をよく読んでいたので抵抗なく入れたのですが、最初のさわりの辺りを読むと、「え? これ、難しいお話なのかな?」と一瞬思うことはあるかもしれないです。

ただ読み始めると、くだらないと言うと申し訳ないですが、「何でそのむさ苦しい四畳半の話をこんなに膨らませて面白おかしく描けるのだろう?」というところがあります。

共感するところも沢山あって、どんどん引き込まれていくので、読みにくいということはないです。

私が京都で暮らしていた学生時代に、男友達が丁度この人が描くような四畳半の汚い木造のボロアパートに住んでいて、よくそこにお友達同士みんなでたむろしていたんです。

そういった世界がそのままにお話の中に再現されていて、「そういえばそんな所であんな生活していたら、こんな妄想も膨らむよね?」と、うなずける部分もあります。

そういう、普通の生活をしている中から面白みを引っ張り出してくるところが好きです。

テレビにも登場。受賞、アニメ化も

森美登美彦さんはメディアに登場する事はありますか?

一時期、よくテレビに出ていました。

受賞をしたり話題になったりもしましたので、最近では本当に売れっ子作家になってしまいました。

刊行される度にサイン会があったりテレビに登場したり、新聞とかの書評のインタビューに答えたりもあるようです。

当時は本当に「誰? これ?」という感じに見られていたと思います。3作目くらいから名前が出始めた感じです。

私は1作目を見て引き込まれてしまったので、ずっとファンでいます。

代表作は4作目の「夜は短し歩けよ乙女」という作品だと思います。山本周五郎賞を取っています。本屋大賞にも入っていて、その辺りから人気が出ています。

デビュー作もファンタジーノベル大賞を取っています。本屋大賞は2位とか3位を何度か取っていて、1位は取っていないのですが、いつも名前が挙がっています。

直木賞にも1度ノミネートされていますが、受賞はしていないです。

今も、恐らく文学系の雑誌などでは連載があると思いますが、私は大体刊行まで待ちますのでわからないです。

時々本屋さんで、文学系の雑誌をパラパラと見たりはします。

本は今は10冊出ていて、全て持っています。

10冊はちゃんとした小説なのですが、小説の中のパロディーのようなものを2冊くらい出していて、私は小説の部分しか持っていないのです。

1冊は友人にあげました。京都の時の親友が、この方の作品を好きになっちゃったと言うので、お別れの記念に渡してきました。

この方の作品は、今のネット作家さんに通ずるところがあったり、アニメの部分を面白おかしく描いたりするところがあったりするので、アニメ化したい話はあるようです。

「夜は短し歩けよ乙女」や、「有頂天家族」というタヌキの話があるのですが、その辺りがアニメ化されたりしているみたいです。

あと、本人がつけられているブログがあります。本人なのですが、第三者的な目で本人の事を見ているので、小説のような語り口で面白いです。

たまに新刊情報も載っていたりするので、気がついたときにはチェックしています。

おすすめ作品ベスト3

おすすめ作品ベスト3を教えてください。

一番好きなのは、デビュー作の「太陽の塔」です。

これが一番馬鹿馬鹿しいというか、読んでいて男の汗臭さが漂ってくるような作品なのですが、なぜか最終的に読み終わった後の読後感がすっきりしているんです。

本当に、学生時代の男臭い中で遊んでいた、あの頃にタイムスリップしてしまう感じです。

そういう生活をしたことが無い人には、ちょっととっつき難いかもしれませんが、本当に疑似体験が出来るくらい上手に描かれているので、一番好きです。

2番目に好きなのは「【新釈】走れメロス」です。

この方、太宰治が好きで、太宰治のパロディ小説みたいなものも書かれているんです。

太宰治の「走れメロス」や「人間失格」のような堅苦しいものを、完全に彼の世界の中に落とし込んで面白おかしいファンタジーに変えてしまう感じです。

「太宰治って、実は裏を返せばこんな風な作品になっちゃうんだ!」という、新しい世界を見出すことが出来る感覚があって、私はこの作品が好きです。

もう一つは、割と最近で、最新作より1つ前なのですが、「ペンギン・ハイウェイ」という物語です。

初めてこの方が小学生を主人公にしたお話なのですが、小学生の男の子が初めて恋心を抱いた大人の女性がいて、それをめぐる冒険をする話で、この方にないような爽やかな作品になっています。

でも、「この男の子も大きくなったら、あの四畳半で暮らすんだろうな」というような、完全に繋がっていくようなお話です。

「新境地を切り開いた!」と思ったと同時に、「全部あの四畳半に繋がっていくんだな」といった感じがして好きです。

全部単行本で出ています。

読書家にもそうでない人にもおすすめ

どんな人におすすめの作家ですか?

どんな人にというのはすごく難しいのですが、あまり本を読み込んだことが無い人にまずおすすめです。「どんな本を読んだら面白いんだろう?」と思っている人。

漫画感覚で読めるんです。

コミック漫画を読んでいる感覚でページをめくっていけるし、すごく場面も鮮やかに想像できて展開していくので、「コミックは読んだことあるけど小説って読めないんだよね」と言う人におすすめです。

それから、堅苦しいような古典文学を読み込んでいる人にも、間違いなく楽しめる作家さんです。

知り合いに現在大阪大学の准教授をしている人がいて、その方は実は昔書店勤めで仲良くしていたのですが、「私この作家さん好きなんです」と言ったら、「実は私も注目しているんです」と言われました。

准教授になられてから仕事の関係で森見登美彦さんにお会いすることがあったらしいのですが、すごく人柄も面白いと言われていました。

知り合いは准教授になられた時点で50歳を過ぎていた方だったのですが、本屋さんをしていて色んな本を読んでいる人でも、虜になってしまうような作家さんなんですね。

なので、本が好きでずっと読み込んでいる人にも楽しめる作家さんだと思います。

一発で彼の魅力をわかりたい方は「四畳半神話大系」と「夜は短し歩けよ乙女」、この2作品を読めば彼の世界がベースとしてわかると思うので、この辺りから読み始めていただくのがおすすめです。

森見登美彦さんへの応援メッセージ

ご本人へ応援メッセージをお願いします。

本当に注目される前から、すごく作風が好きです。

私は女ですが、森見さんの作品は、その男臭い気持ちが共感できてしまいます。そういう男臭さの面白さを異性にまで伝えることが出来る作家さんって、なかなかいらっしゃらないです。

どこかで妥協しておしゃれな方向に走る作家さんは沢山いると思うのですが、森見さんの物語の中では徹底されていて、それを貫き通す姿勢がすごく好きです。

なので、これからも、臭い小説を沢山書いて欲しいです。

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